MVRラボにご注目ください

MVRラボ(Machine Vision and Robotics Lab/IASAI)は、1990年に設置された中京大学情報科学部の附置研究所、人工知能高等研究所(IASAI)に産学連携の共同研究施設として1991年4月に誕生したCGラボの歴史と精神を継承した、共同研究施設であります。母体学部が2006年に「情報理工学部」に生まれ変わり、さらに2008年の「機械情報工学科」増設、そして2013年に「工学部」として本格的理工系学部として再始動しました。このことは、IASAIにもMVRラボにも極めて順風なことであり、寄せられる学内からの期待は、産業社会から直接に寄せられるそれと併せて、いよいよ大きく膨らんでおり、目下、創設から数えて四半世紀を迎えての記念宣言の下、MVRラボも活動強化中であります。(四半世紀宣言の記念ロゴを掲げておきます。)

このように母体の学部・大学院研究科もIASAIも絶え間なく改革発展を遂げており、本格的な理工系学部・研究科として実力をつけ発展すべく意気込んでおりますが、MVRラボも同様であります。これまでの四半世紀ほどの教育・研究の蓄積を基盤にして、産学連携研究のより強固な研究環境を提供しようとしております。もちろん施設面での環境として最新の画像関係の機器・設備も鋭意、備えてきています。その姿をイメージしていただくために例を挙げますと、

  1. 3mキュービック3D計測システム(HRC助成)
  2. 高速度デジタルカメラシステム×2セット(HRC助成)
  3. 両眼眼球運動測定システム(IPA助成)
  4. 3D顔画像計測システムVoxelan(委託研究)、(IPA助成)
  5. ロボット動作・ビジョン実験環境(本学助成、NEDO助成)
  6. ネットワーク稼動解析のための実験環境(本学助成)
  7. バリ取りロボット(サポイン事業助成)
  8. 18bit階調特殊カメラ(中京大学特定研究)
  9. 自動車エンジン部品検査ロボット、航空機部品検査、タイヤ検査、刻印文字検査、表面粗さ計測、顔研究、塗装検査、鋳造品検査、建材画像検査、など(企業からの委託研究・共同研究)

であります。同時に、このような環境の中で最先端の技術シーズが着実に芽吹いて、産学連携のための重要な技術コンテンツが生まれています。ここ最近でも、ロボット分野での最優秀賞(RSi賞)、画像技術分野での最優秀論文賞「2002、2005、2012、2014、2015小田原賞」、メディアコンテンツ分野での「NEXT COMMUNICATION AWARD 2012」グランプリなどの受賞が相次ぎ、様々な学術・産業の現場での注目を集めているところであります。
http://www.chukyo-u.ac.jp/research_2/liaison/

特に近年、このラボ内にマシンビジョン・ロボット技術パーク(「MVRパーク」)を発足させて、外部への技術アピールを強化したところであります。その中から、産学交流テクノフロンティア、愛知万博、ビジネスウエーブ21、ITSワールド愛知など、様々な学術的・公的技術展示会への出展要請に応え、また積極的に挑戦をしております。中でも、ロボカップ2004大阪ジャパンオープン・レスキュー部門で3位となった「4-Legs」(本学助成)、愛・地球博2005のプロトタイプロボット展で活躍した「似顔絵ロボットCOOPER」(NEDO助成)、更には、2014年2015年ロボカップの連続優勝、2015APCにて世界上位入賞などはその典型的な成果です。この小冊子では、これらの研究シーズの中から厳選してその幾つかを紹介しています。加えて、このMVRラボのメンバーとその専門分野も紹介ししています。特に産業界第一線で活躍の実績をもった技術研究開発の40名を超える大勢のプロが工学部、大学院研究科、本研究所、そしてMVRラボに結集しております。本冊子掲載の研究シーズをも是非ご覧頂き、中京大学との産学連携の手がかりを生み出せるよう、是非お声かけ頂きたく思います。

最後に一つお願いがあります。MVRラボでは産学連携のための「共同研究室」をそのフロアに設置しています。これまで何社かの企業よりサテラボとして利用して頂いて実績を上げて参りましたので、これからも産学連携研究の活性化のための生きた稽古場としてご活用ください。また関係各位からの平素のご支援を深く感謝申し上げ、MVRラボ委員会からのご挨拶と致します。

2016年4月
人工知能高等研究所MVRラボ委員会委員長
輿水大和(人工知能高等研究所所長・工学部電気電子工学科教授)